油性調合ペイント(OP)とは、一般的に「油性ペイント」と呼ばれる塗装である。
油性調合ペイントは最も古典的な塗料の一種であり「ボイル油」と「顔料」に添加剤を加えて製造する過程は昔も今もほとんど変わらない。
DIYで木製の家具製品や一部合板などのペイント塗料として今も尚、広く使用されており木材系部材の塗装に適した塗料のひとつと言える。
古くから建築に関わっている場合はご存知かもしれないが建築塗装分野では古くから「OP塗り」という言葉がある。
以前はこのOP塗りとは、塗装を油性調合ペイント(OP)で仕上げることを指していたが、現在の建築現場で使用されるOP塗りとは合成樹脂調合ペイント(SOP)を指す言葉となっている。
OP塗りではなく「SOP塗装」という言葉が少しずつ定着した感もあるが、馴染みのあるOP塗りという表現が現在では合成樹脂調合ペイントによる塗装である点は把握しておきたい。
溶剤の添加が少量であることからしっかりと材料に浸透し1回の塗装で肉厚なペイトンを施すことが可能である点はOP塗装のひとつのメリットである。
特に塗料の浸透性が高い事から木材などの塗装に適している。
欠点は何よりも乾燥するまでに多くの時間を必要とする点。
気温が15度~25度程度の環境で塗装を行った場合は最低でも17~18時間、長い場合は24時間以上の乾燥時間が必要となる。
油性調合ペイントは比較的肉厚なペイントがしやすい傾向にはあるが、重ね塗りを行う事が基本であるためこの乾燥までに必要となる時間が長いという点は住宅建築現場の場合は工事の進行にも影響を与えるため、ひとつの欠点として考慮すべきポイントである。
SOP塗装はこの乾燥時間が短いというメリットに加え塗装面の光沢性も高く見た目にも綺麗に仕上がる事から現在ではOP塗装ではなくSOP塗装がOP塗りの基本となっている。
油性調合ペイントは多くの塗料の種類の中でも耐水性に関しては最も弱い。その為、建築では外装の塗装に用いられることはほとんどない。
その為、現在ではDIYや内装の木造部分へのペイント以外で使用されるケースが激減してきている。